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「台北ブックフェアー」 2006年2月25日

 妙な空気―今年の台北ブックフェアーは、この一言に尽きる。

 開催6日間(2月7日~12日)での延べ来場者は44万人と去年を大幅に上回るものの、その殆どが漫画館目当て。ヨーロッパ4カ国共同のテーマ展示などがあるメイン会場は例年に比べ明らかに人出が少なく、実際に本を購入している人の割合も減っている。

「台北ブックフェアー」 2006年2月25日_e0048888_1622526.jpg 建前は「版権売買」、実情は「在庫の叩き売り」だったかつての姿は鳴りをひそめ、旧正月明けの一儲けをもくろむ出展者達はかなり凹んでいる様子。むろん版権取引も毎年少しずつの成果が上がっており、今年初めての試みである数カ国共同のテーマ展示(従来は一カ国ずつ)で、文化交流という思わぬ副産物があったため、主催者側も「これからは版権・文化交流の二本立てで行きたい」と発表。

 加えて、やはり初めて発売した「星光票」(ナイトチケット)で、二日間は夜十時まで開放し好評を得たため、来年は十二時まで時間延長しようやら、夜間開放の日数を増やそうなどの声も既に出ており、労働時間は長くなるは売り上げは伸びないはで来年の出展を見合わせる業者も多いのではないかとの懸念もでている。

 ネット書店の特価セールが一年中どこかしらであり、以前はフェアーでしか手に入らなかった輸入書がコンビニに並ぶ今、わざわざ会場にまで行って本を買い求める意味も薄れて来ている。又、例年フェアーに合せて出版される目玉書籍も今年は力不足。一山いくら、おまけ付の「質より量」作戦に読者も飽き飽き。まさに「ブックフェアーとは何ぞや」を問われる年になった。

 逆に転換期の今だからこそ、「何ぞや」の問いに「これでどうだ!」と打って出る出展者が必要なのかも知れない。

求ム!勇者ヨ!
by HANNIEW | 2006-02-25 16:20 | 出版やら本屋やら


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