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出版ゴロ(2005.8.24)

 どこの世界にもいるものです、ゴロと呼ばれる人たちが。

 黎明期の台湾出版界は、思想統制も有る中、弾圧などの苦労なんぞものともしない志の高い創始者が多かったようですが(客家系中心)、「海賊版王国」と揶揄された頃は、ゴロではなく本物のヤクザ系が随分と出版界でも活躍しておりました。

 現在ヤクザ系出版社は、本体は開店休業状態とし、子会社・別会社を作ってちゃっかりとカタギの振りをしている所が殆ど。コピー版全盛期には、自分が既に違法コピーなのに「無断コピーを禁ずる」とした(孫コピーは駄目って事でしょうか)本をよく見かけたものですが、それも昔話。

 音楽や映像、ゲーム、ソフトなどの海賊版はまだまだ流通していますが(音楽関係は激減)、出版物はせいぜい写真を何枚か無断使用やら生地を一部拝借程度で、以前のように一冊丸々コピーだの、何冊かのいい所だけを編集しなおした「BEST OF~」的な本はほぼ絶滅。

 今や良くも悪くも大人しくなった台湾出版界ですが、またもや怪しい動きが。ここ数年で中国図書の台湾での販売が緩和され、現在は一部思想的・政治的なものを除いては殆ど開放状態。すると特に欧米系出版物の中国産海賊版が台湾の書店にも流れてくるように。ここでどうも日本人関係者の影がちらほらと。

 既に一線は退いたものの、未だに多少の影響力があると思われる人達が、あちら側のゴロとつるんで悪さをしている姿があるようで。

 何でもいいから一旗上げてやれ!と息巻く若者じゃあるまいし、以前は「出版と言うものはなぁ~」と後輩指導なんぞをしていたのかと思うと、クーラーも要らないほどに冷え冷えとしてきます。

 「武士は食わねど~」は無理そうですが、ちょっと食べて楊枝は手で隠しつつ実りを感謝する気持ちだけは忘れたくないものです。
by HANNIEW | 2005-08-24 21:26 | 出版やら本屋やら


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台湾の美術書店です。 台北の片隅で日々本に囲まれ10年以上。 ぽつぽつですが思いついたことなどを書いてゆきたいと。
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