キティちゃんはトラブルメーカー?(2005.6)

 去る6月23日、台北のちょっと柄の悪い繁華街「万華」で日本人観光客7人 vs 台湾人20名弱の大喧嘩(グーでの殴りあい)が発生し、警察は出るは、日本人何名かが骨折したり頭から血を流したりの大騒ぎ。 とりあえず最後には台湾側から示談金15万NT$が支払われ、丸く(?)収まりました。

 今年は漁業権の問題やら釣魚台関連、靖国問題(これはまた後日)で珍しく日本ともめる事が多かった台湾なので、「いさかいの原因は釣魚台」と報道したところもありましたが、よくよく調べて見ると・・・「ハローキティー」、つまりキティーちゃんが発端。

e0048888_4573842.jpgちっちゃな袋入りで中身は分からないようになってます

 今、台湾の7-11では、1回の購入額77NT$ごとにハローキティー磁石がもらえるのですが、前々からキティーファンが多かった背景もあり、欲しい人は血眼になって集めています。基本が31種類、シークレットが3種類とかで、私のように1ミリも興味のない人間は、もらった端から人に上げていますが。

(ご興味のある方はこちらを ↓
http://www.7-11.com.tw/event/05kitty/31hk.htm

 で、その観光客もこの磁石をもらったらしく、珍しいのとお酒が入っていたので大声でワーワー話していたらしいのですが、隣にいた台湾人グループが、言葉「うっさいなぁ、、ん?何キティー見て笑っとるん? まさか!馬鹿にしとるんじゃなかろーねーー!!」とにらみ合いになり、言葉も通じないは、酔っ払いだは、万華一体が妙にハイテンションになりやすい雰囲気があるはで、とうとう殴りあいになったようです。

 まぁ、簡単に言ってしまえば酔っ払い同士の喧嘩なので。 この一件で台湾の民度がどうのこうのとは言えないと思われます。 逆に言えば日本の池袋辺りの居酒屋で言葉の通じない外人がワーワー騒いでいたら、「ムッ!!」として「うるさいぞー!」とトラブルが起こるだろうと思われますし。
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                              中身はこんな感じ

 キティーキャラクターは台湾でも相当な人気のため、様々な製品に使われ、キティーカラオケやキティーカフェなども出現。 中には顔はキティーで何故かガンダム風の衣装を来た微妙なキャラクターがテイクアウトのお弁当の箱にプリントされていたりします(海賊版の合体バージョン)

 そういえば以前、台湾マクドナルドが、「限定キティー人形」を発売したときも、その奪い合いや、列に横入りしたなどから殴り合い(あの時は確か女性同士だったような・・)が何度かあったのを思い出しました。

 どうやら、キティーちゃんはあちこちでお騒がせキャラクターのようで・・

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# by HANNIEW | 2005-06-01 04:47 | 台北の街角から

網路小説(ネット小説)(2005.5)

  台湾でネット小説が出版されベストセラーとなり、世間の注目を集めだしてからすでに6~7年。その口火を切った「第一次的親密接触」は映画化され(映画はあまりヒットしなかった)、以来二匹目の泥鰌を狙う出版社がこぞって参戦。今でも毎月十冊以上が出版されている。

  読者層が若者中心という事もあり、主流は恋愛もの。特に学園恋愛小説は大モテ。そのため、どこを切っても金太郎の感はあるが、それでも決まりごとに縛られないというメリットがあるので、これからどんどん多様化して行って欲しい所。ちなみにオタクな恋愛小説「電車男」の台湾版も先月出版され、書店には大きめの宣伝ポスターがベタベタ。力入ってます。例の特殊な2CH用語も頑張って訳してあり、マイナー中国語勉強にはいいかも。

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          TVドラマ化されたネット小説
          俳優さんがイケメンです


  変り種は大陸発の「北京故事 藍宇」。内容が同性愛なので大陸では出版されず(できず)台湾の出版社から出版。(日本語版もあり)

  日本とちょっと違うのは、人気のあるものはすぐに映画化・テレビドラマ化されること。特にテレビドラマはルックスのいい若手俳優や歌手を起用し、高視聴率。ネットに馴染みのない層を形を変えて取り込んでいます。

  人気作家も多く輩出してきたが、「ネット小説は自分の体験を元にしている」と思い込んでいる読者が多いため、一度人気がでると、かえって自由な創作活動ができなくなるというのが彼らの悩みらしい。(掲示板などで罵られるし)

  何にせよ、ネットだろうが文学雑誌だろうが、その出身は問わず面白いものは面白いが基本ですね。

  さて、久々に「網路小説討論板」でも覗いてみますか。

(「文化通信」にも掲載)

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# by HANNIEW | 2005-05-01 04:46 | 出版やら本屋やら

教科書問題(2005.4)

 黄砂とともに不安な要素が漂ってきた日本ですが、こちら台湾では様々な目的を持った政治家などがお抱えマスコミとタッグを組んで騒いでいる以外、一般民衆は至って冷静。他所で敵視されている「教科書問題」も意味合いがかなり異なります

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日本語版「認識台湾」
現在は雄山閣より出版


  台湾の教科書の大きな変化の始まりは1997年の中学校歴史教科書である「認識台湾」(日本でも「台湾を知る」として出版)が発端。政治的背景から封印されてきた台湾の歴史が初めて(!!!)教科書に登場。
 それ以前の世代は母国の歴史についてあまり知識がなく、一般の出版物でも子供向けの歴史読本で台湾の歴史に触れたものは皆無でした。激しい論争はあったけれど、この教科書を皮切りに台湾関係本ブームが起こり今や一大市場。

 市場と言えば、従来国定教科書制度だったのが検定制度となり、政府機関以外の民間出版社にも開放されたため、1学年30万人余という市場に惹かれた多くの出版社が参入。
 当初は国家予算が出る政府機関系教科書がかなりのリードだったが、現在は5~6社が入り乱れての混戦状態。各校の自由裁量でその導入が決定できるため賄賂の横行もあり、商売として成立させるためにその公平性や教育の質が犠牲にされないかと危惧する声も。
 義務教育中の教科書も有料なため、安価な政府発行教科書との価格競争もあり(民間出版社には補助金無し)、各社苦戦中。それでもプラスαの参考書や教具の販売を見込んでじっと我慢の子。

 現場教師も大きな変化に戸惑い気味ではあるが、何にせよ若い世代を育てる基礎となる教科書なのだから、子供をモルモットにだけはして欲しくない所。

 私ですか?ええ、ラッキーにも「ゆとり教育」とか言うぬるい考えの巻添えを食わず、円周率は3.14で覚えました。

(「文化通信」にも掲載)

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# by HANNIEW | 2005-04-01 04:45 | 出版やら本屋やら

駅前留学(2005.3)

 「英語ぐらい出来なくっちゃ」というどこぞの英会話スクールのCMじゃないけれど、台湾の英語熱も相当なもの。
 留学率・移民率の高さや、貿易中心の商売が多いなどを背景に、今や小学生の半数以上が何らかの英語学校に通う時代。月平均で1万円ほどを子供尾英語教育に費やしているとか。

 5年ほど前に政府機関が実施する「全民英検」試験もスタートし、大手企業も採用条件の指標に導入を開始。「英語ぐらい出来なくっちゃ」の状況は日本より切実。
 子供向け英語市場だけでも最低1,500億円ほどはあるこの市場を見込んでシンガポール外資なども参入。この3年で100軒のスクール設立が目標とか。日系語学学校も売り物の「日本語」に加えて「英語教室」を併設する所が増加中。

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台湾版「萌単」 
帯のティストまで忠実に仕上がってます。
<日英中>併記で中国語学習に最適かも。


 学校ときたら当然教材。元々語学関連出版物は相当数あり、毎年のベストセラー上位に必ずランクインされてきたが、これら語学学校の教材・副教材として採用されれば後は座っていても商売になるとばかりに、新旧出版社入り乱れて強力な売り込み合戦。
 台湾の日本語学校のほとんどで採用されている教材が、ある一社の出版物(日本からの版権取得もの)で、その出版社が数年で急成長している姿を見ているだけに、各社ものすごい意気込み。

 日本でも話題となった「萌える英単語~もえたん~」もしっかり版権取得。帯のテイストまでそっくりに仕上げ、若い男の子を中心に売り上げ好調。日中韓3バージョンを取り揃えるマニアも出現(本来の学習目的とはちょっと違うけれど)。

 むろん「ツール」としての語学習得は大賛成だけれど、遠い昔大学の入学式で学長が言った「自分の国の言葉で教育を受けられるという幸せ」の意味が何だか分かったような気がする揺れる宝島台湾の春なのでした。

(「文化通信」にも掲載)

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# by HANNIEW | 2005-03-01 04:44 | 出版やら本屋やら

第十三回 台北国際ブックフェア(2005.2)

 旧正月休暇明けの2月15日~26日、台北世界貿易センターで開催されたブックフェアーは延べ来場者数33万人、参加40カ国、877出版社、2099ブースの出展とさらに規模を拡大。 今年は例年の第1館(総合図書)、第2館(漫画)に加え第3館(児童)を新設。子供が遊ぶスペースなども併設し、まずまず好評。台湾も近年少子化が進み、子供一人当りにかける金額が上昇し、児童教育への熱は高まるばかり。

e0048888_323564.jpgテーマ国韓国の民族舞踏のパフォーマンス。
鐘やら太鼓で賑々しく会場を盛り上げていました。



 この2回ほど初日から一般開放され、本来のフェアーの目的を損ねると批判が多かったため今年から初日二日間は同業者のみの入場に戻し、初の試みとして台湾図書37点を「BEST FROM TAIWAN版権推薦図書」と銘打ち出展。版権交渉などに成果が現れた。又、昨年まで出版社などが持ち回りでフェアーを主催していたが、その負担減と公平性を期すため「台北書展基金会」を設立。同会初の主催フェアーとなった。

 毎年、野菜市場と揶揄されてきたフェアーだが今年はいたって落ち着いたもの。相変わらず漫画館の「一人勝ち」は賑々しく報道されたが、それも若年層がフェアー期間限定で販売される著者サイン入り本や、特売セットなどを目的としたもので、中には本の購買よりもコスプレで衆目を集める事を楽しみに来場した一群も。

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今年は初めて「派手目」のブースにした日本勢。
外見は派手でも中身はいつもと一緒・・・


 生憎の悪天候で事前予想より来場者が少なく、このチャンスに在庫ストックを売りさばこうとした業者も気落ち気味。フェアーに対する関心が低くなったというよりは、台湾にも確実に読書習慣が根付いて来たと見るほうが正解。「いつでも買える本なら、今日わざわざ買う必要ないしね」という若者の言葉が印象的。逆に今後出展を考えている出版社は、フェアー参加の意義を再考する必要もあるだろう。バーゲンセールではなく、自社の出版物を含む「出版・文化」を読者にどう伝えていくかが問われるフェアーに転身を遂げつつある台北書展の姿が垣間見えた。

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ドイツブースにて。
昔の印刷機械を持ち込んで展示。
流石出版王国!
毎年ちょっとした「印刷文化」関連の展示をしています。


  テーマ国は「韓国」。折からの韓流ブームもあり来訪者の関心も高く、韓国伝統舞踊のパフォーマンスも披露され、各出版社も積極的な応対。マスコミの評価も上々。 日本勢は例年にない派手なブースで人目を引いたが、展示方法・出版社の応対などは相変わらず。出版社としてのイメージ広告効果を狙っているのか、台湾市場への積極的な売り込み目的なのかが今ひとつ分からず、読者の関心も流行雑誌や漫画に集中。一般には評価の高い日本の出版物であるだけに、焦点のぼやけた出展は惜しまれる。

  初日の陳総統来訪時にセキュリティーチェックでもめるというおまけつきのフェアーだったが、台湾図書市場の変身が伺える興味深いものだった。 来年のテーマ国はラテンアメリカの国からを予定。

(「文化通信」にも掲載)

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# by HANNIEW | 2005-02-01 02:52 | 出版やら本屋やら

原文書籍(2005.1)

 日本で英語の本を買った事がありますか?では、中国語書籍は?両方ともYESの方はそう多くないはず。

 台湾ではごく一般的な本屋さんやコンビニでも普通に欧米やら日本の原書が並べられています。慣れた身にとっては当たり前の光景ですが、よく考えれば驚異的。日本で駅ビル本屋さんに台湾の原書がずらーっと並んでいて、茶髪の若者が何気なく買っていたりしたらびっくりですよね?

 研究者・インテリ御用達のイメージが強い原文書籍ですが、こちら台湾では一般読者も手にとる普通の本の一つ。日本のように世界中の翻訳書籍がすぐに出版されるという環境ではないため仕方なく原書をということも有りますが、「ハリポタ」のように原書も台湾版も両方ある書籍などは両方購入し、語学教材として活用する人も。

e0048888_3193780.jpg「ハリポタ」 
中国語版(左)と英語版(右)が同じ棚に並べられていたりします。


  もちろんどんなジャンルでも原書でOKなわけではなく、ファッションやら流行り物系、専門誌などの雑誌が中心で、単行本や漫画は版権を購入して台湾版を出すというのが今の主流。旬のものは制作に時間を掛けるより現物を輸入してしまった方が商機を逃さずにすむし、殆どがビジュアル物なので日本語が分からなくても図版を楽しめればいいと言った所でしょうか。

 もちろん中国語の出版物が一番便利なのは当然で「台北ウォーカー」は紙面の半分以上に日本の芸能界やファッションの旬の話題を盛り込んで「今知りたい日本のお洒落な事」と「やっぱり中国語だと分かり易い」をうまく盛り込んでいる例でしょう。

 2005年も早や1ヶ月が過ぎ、今年も怒涛の生き残り競争が開始。来年もにっこりもちを頂くためにも、自分の知っている環境ややり方だけにとらわれず頭を柔軟に保ちたいものです。

(「文化通信」にも掲載)

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# by HANNIEW | 2005-01-01 02:52 | 出版やら本屋やら

超萌~(2004.12)

 日本の流行がほぼリアルタイムで伝わる台湾。もちろん文化的国技とも言える「動画」(アニメ)や「御宅族」(オタク)もしっかり伝わっています。

 「超~」という言い方は元々なかったのですが、いまや中年ぐらいまでは普通に使っているし(日本語と同じ意味で)、マニア用語とも言える「萌~」も若者向けの雑誌や台湾アニメ界ではすでに一般用語。合法・違法共にアニメや漫画の出版物、DVDがあふれているのもつとに有名な所。

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台北のメイド喫茶。
「萌え~」なウェイトレスさんが多数。



 日本の休日ともなると「台湾の秋葉原」には日本からオタッキーな皆さんがロリ系のDVD棚を脂ギッシュに占拠する姿もよく見かけます。コミケも大盛況で、もちろんコスプレ有り。日本のアニメだけでなく、「聖石伝説」(日本でも映画公開されたハイパーな人形劇)のコスプレイヤーも多く見受けられるのがこちら風。ちょっとびっくりなのが日本仕込みだという方が台北の繁華街一等地に開いたメイド喫茶。アキバのそれと比べかなりお洒落なオープンカフェ風で、女の子のお客さんも結構います(現在一時休業中)。

 「オタクの経済効果」について真面目な分析がされたり、新しい所では「電車男」も日本の若者文化として色々なメディア上で紹介されています(それも社会覧で)。

 私もしっかり漫画で育ち、未だに色々なアニメを見ており、心打つ作品に涙したりしていますが、「何だかなぁ」という疑問も浮かびます。日本の政府も漫画文化の輸出に本腰を入れようとしている模様ですが、「フジヤマ・ゲイシャ」から「エコノミックアニマル」そして「オタク」と一部の断片だけが伝わるというのはどういう事なのでしょうか?

 今年の除夜の鐘でこんな煩悩も打ち払われ、フレッシュな気持ちで新年を迎えたいと願う年の瀬ではあります。

(「文化通信」にも掲載)

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# by HANNIEW | 2004-12-01 02:51 | 出版やら本屋やら

白色巨塔(2004.11)

 日本でもすっかり定着した感のある「韓流」。台湾でも日本より少し早くブームがやってきており、ヨン様来台となると空港は出迎えのファンでごった返したりといずこも同じ秋の夕暮れ。

 日本のドラマには見られなくなったウェット感が「人情味」が大好きな台湾の国民性にしっくり来るようで、一時は日本のドラマ一色だった台湾のテレビもすっかり押され気味です。まぁ、「お洒落な」トレンディードラマも何本か続けばお腹一杯になろうというものです。

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右:今月末に出版予定の翻訳本/
左:パクリか?と疑われた本
うーん・・確かに微妙な所です。
内容も似ているし・・


 そんな中、今年放映された(現在再放送中)「白色巨塔」(白い巨塔:唐沢版)は久々の大ヒット。公式HPも開設されBBSでは毎日熱い討論が。財前医師への肯定的な意見が多いのが台湾的。

 夕餉の話題にも度々登場し、おじいちゃんと孫のちょっとしたコミュニケーションツールの一役も買っています。

 書籍の出版も決まり、TV放送には間に合わなかったものの出版社側は自信満々。まだまだ賄賂が横行している台湾医療界への関心が高まったり、台湾の医師が五年ほど前に書いた同名の書籍がパクリではないかとの疑惑が浮上したりと思わぬ所にも影響を与えています。

 「おしん」に見られる「耐え忍ぶ日本」、そしてトレンディードラマの中の「経済の繁栄を謳歌する日本」。二つの大きな流れが去った今、台湾が日本に求める姿が「信念を持って歩む日本」なのでしょうか?そういえば、李前総統も「日本の武士道精神に学べ」と何度も発言。

 TVドラマは世相を映すとも言われますが、さて私たちは野心いっぱいのまま病に倒れてしまうのか、それとも静かに燃えながら信じる道を歩み続けられるのか… 現実が一番スリリングなドラマのようです。

(「文化通信」にも掲載

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# by HANNIEW | 2004-11-01 02:50 | 出版やら本屋やら

文化公民権(2004.10)

 実は多民族国家でもある台湾で、人心を一つにまとめるのは至難の業。歴史的・政治的背景が複雑に絡み合う中で「ハンドインハンド」(ちょっと古め・・)といくら叫んでもバイクの排気音にかき消されるようです。

 じゃあ!というわけでも無いですが、昨今は「文化」が切り口。政府・民間ともに様々な支援活動を行っていますが、今年の目玉は政府による「文化公民権」運動。出版界からは南天書局の魏徳文氏が「終身成就奨」(文化勲章のようなもの)を受賞。巨大書店チェーンでもなく、政治力もある出版社でもない人選に見ている人は見ているんだなぁと嬉しく、この取り組みへの真摯さを実感しました。
 
 客家人である魏氏はまだ台湾が貧しかった三十年前より同書局を経営。散逸していた台湾研究資料を集めて出版し、その出版物は日本の台湾研究者にとっても欠かせない資料となっています。物静かですが日本語も堪能な魏氏(他にも何ヶ国語も!)の元には、常に内外の研究者や学生が集い交流を続け、又新たな本が生まれて行っています。

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東京ブックフェアーで、台湾ブースの取りまとめ役でもある同氏

 今でこそ「台湾」をテーマとした本は流行りですが、ちょっと前まで振り向く人の少ない分野どころか、政治的に台湾を前面に出す行為が命の危険をもたらす時期もありました。そんな中、地道にひたむきに己の信ずる道を歩き続けた氏の姿に、売れる売れないで一喜一憂する自分を振り返ると・・・・。

 台風や地震に次々と襲われた日本、水害や社会不安に悩む台湾。いずこも厳しい晩秋を向えようとしておりますが、こんな時こそ「美しきもの」が心に灯をともすのかも知れません。美しきものは身近にも沢山あるんだよと気付かせてくれるのが「文化」なのでありましょう。 今日の秋晴れは目に染みます。

(「文化通信」にも掲載)

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# by HANNIEW | 2004-10-15 02:49 | 出版やら本屋やら

焼き肉の煙で月も霞む?(2004.10)

 ちょっと前の話題ですが、去る9月28日は日本の秋分の日にあたる「中秋節」。

 日本でお月見といえばお団子ですがこちらでは「月餅」が今までの定番。 これでもか!と入った餡子で歯が溶けそうなぐらい甘いタイプや、お肉や切干大根の入った甘くない「お焼き」風。 中華街などでもおなじみの伝統的な月餅はどうも最近旗色が悪いようです。 (確かに甘すぎるので1個丸々食べると胸焼けがしますが・・)

 変わって登場が、カスタードクリームを使った洋菓子風のものや甘さ抑え目の可愛いタイプ。 ケンタッキーなどもお月見商戦に合わせてタルト風月餅(?)を販売し、大々的にTVコマーシャルなどで宣伝。 従来の月餅には飽きた人たちも、やはり縁起物だからということで完全に食べないというわけではなさそうです。

e0048888_2555628.jpgケンタッキー(肯徳基)が力を込めて販売したタルト風月餅

 ここ数年、月餅を押しのける勢いなのが「BBQ」(バーベキュー)。 老いも若きも何故かあっちでジュージュー、こっちでモクモクと大焼き肉大会。 庭付き一戸建てなんぞ望むべくもない台北の住宅事情から、普通の道端(いや・・本当に普通の往来なんですよ)に、レンガをいくつか積んで網を乗っけての即席バーベキューセットの出来上がり。 住宅街のそこここにある小さな公園は連日焼き肉大会の皆さんでにぎわっています。

 まぁ、確かにこの時期は比較的気候も良く、雨も少ない時期なので屋外でのバーベキューは楽しいでしょうが、人や車がバンバン通る道の端っこで肉を焼いてもおいしくないんじゃないかなぁ・・と感じてしまいます。

 「みんなバーベキューセット持ってるの?」 ご安心ください。 この時期、どのスーパーでも網、トング、金串、炭などをパックにしたセットが格安で売られています(200円ぐらい~)。 安価なので大体の人は1回使ったらそのまま捨ててしまうようです(オコゲは洗うの大変ですし)。

 このブーム、いつまで続くかは分かりませんが、変わらないのが「中秋節」でもうちはお休みなしという事だけでしょうか。 今年もどこぞから流れてくる香ばしい焼き肉の香りをちょっぴり恨めしく思いつつ、本にはたきをかけておりました。

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# by HANNIEW | 2004-10-01 02:48 | 台北の街角から


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by HANNIEW

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台湾の美術書店です。 台北の片隅で日々本に囲まれ10年以上。 ぽつぽつですが思いついたことなどを書いてゆきたいと。
本家汗牛HPも御贔屓に!
www.hanniew.com


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