同志よ!(2004.9)

 いきなり革命の志士のようですが、台湾で「同志」と言えば同性愛者の事。

 90年代辺りからこの呼称が使われ出し、「同志文学」は一時ブームとなり、数々の文学賞を取得しました。先ごろ廃刊が決まった「薔薇族」のような商業ベースの同志雑誌もしっかり存在します。

 同志ものだけを扱った「主題書店」(専門書店)もあり、又、一般書店でも「同志コーナー」を設けている所もあります。映画界からだと日本でも公開された「ウェディングバンケット」なども秀作。

e0048888_2465066.jpg「同志」であることを父母にカミングアウトした話

 文学・芸術だけならどの国でも同じようなものですが、なかなかびっくりなのは同性愛カップルの結婚を合法化する方向にあるという去年の政府発表。通ればアジア初となるそうです。

 と、これだけ見ると「恵まれた」環境に思えますが、実は儒教の影響も色濃く残っているため同性愛者に対する一般の嫌悪感は日本より強そうです。それにしても、全体に陰湿さが感じられないのはやはり南国の照りつける太陽のせいでしょうか?

 基本的には「人は人、我は我」の台湾。お金は大好物ですが大らかな所も多々あり、限られた条件・環境の中で何とかより良い道を探すことが身についています。一方、実は恵まれた状況なのに被害者意識やら根拠のない殿様意識、ゆるゆる感がどんどん強くなっていっている自分の故郷を見ると、そりゃぁ本も売れなくなるよね、と感じてしまいます。

 文盲のいない、飢え死にする人も殆どいない1億二千万市場は、踏みしめる大地の行方すら危うい台湾から見れば楽園にすら写ります。

 ま、それでも自分なりの同志を求めて、中秋の名月を愛でつつ月餅をほおばり明日への英気を養いますか!

(「文化通信」にも掲載)

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# by HANNIEW | 2004-09-15 02:32 | 出版やら本屋やら

AV女優はお出入り禁止!?(2004.9)

 「砂漠の真ん中ででも毛皮のコートを売る」とは、ちょっと前の日本のモーレツセールスマンを指した言葉でしたが、そこまですごくなくとも今や世界中いたるところに日本人が働いております。 ここ台湾でもIT産業を始め実に様々な業種の方が今日も「出稼ぎ」に精を出しているようです。 (ま、中には私のように「出るだけ出ているけど稼いでいない」ので「出稼がない」と呼ばれる人もおりますが・・)

 さて、意外な出稼ぎ部隊として日本のAV女優がいます。 何年か前、飯島愛氏の「プラトニックセックス」がベストセラーになっていた頃、台湾版も発売され、その販促として台北国際ブックフェアーで同氏のサイン会が開かれ、大変な騒ぎになっていました。 流行歌の歌詞にもなっている飯島氏を皮切りに、その後日本のAV女優が次々と来台。 本業だけではなく、種々の広告媒体で「活躍」しているのは日本ではあまり知られていないかも知れません。
e0048888_2435784.jpg
これが噂の「猛男」(マッチョ)
1回のショーで大卒初任給ぐらいの収入があるそうです。


 そんな彼女たちの重要な活動の場として、各種展示会、ショーがあります。 日本ならコンパニオンガール、イベントガールの仕事でしょうが、こちら台湾では人寄せパンダとして日本のAV女優を起用するのがここ数年の流行。 モーターショー、PCショーなどでは、「いくら南国とは言えそんな薄着は・・」と思える布を数枚くっつけただけの美女たちがたどたどしい中国語で愛嬌を振りまき、ショーを見に来たか何を見に来たのか分からない「即席カメラマン」たちで大賑わい。

 だんだんエスカレートするこの状況に、幾らなんでもまずいだろうと、世界貿易センター管理委員会は先日、「AV女優のショーへの起用は禁止」と正式発表。 大きな収入の道が又一つなくなってしまったようです。 

 じゃあ、今後のパンダは? ご心配なく! 「女性が駄目なら男性で!」とばかりに、「猛男」(マッチョマン)がこれからの流行となりそうな気配。 共働きが当たり前の台湾では女性消費者の力も相当なので、これからのはターゲットは女性顧客という事でしょうか? そういえば昨年、オーストラリアからのマッチョマンショーが「国父記念館」で何日にも渡って開かれ、連日熱気を帯びた女性客で満杯でした。

 筋肉ムキムキのイケメンがにっこりとPCの横に立つ・・個人的にはあまり見たくない風景ではあります。 IT立国の台湾なのですから、できたら賢いロボットが愛想よく道案内でもしてくれた方が、かなり気が利いてるとは思うのですが如何でしょうか?
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# by HANNIEW | 2004-09-01 02:31 | 台北の街角から

盗版(海賊版)は精神毒品(2004.8)

 海賊版王国としてのイメージが未だ根強い台湾、大陸も昨今その状況はかなり改善されてきました。

 台湾でも十年ほど前は、エアラインのスチュワーデスが朝一の便でその日に発売された日本の漫画雑誌を何種類か持ち込み、出版社は人気漫画だけをいくつか集めて突貫工事で翻訳・編集をかけ、次の日には書店に並べるというスピィーディーな荒業もよく目にしました(3-4誌分のおいしい所取りなので内容は豪華絢爛)。

 ここ数年、書籍や音楽CDの海賊版はすっかり見かけなくなりましたが、日本の人気テレビドラマのVCD (DVDのようにリージョンコードがないので台湾ではVCDが主流)は相変わらず健在。「台湾の秋葉原」では、これらのドラマVCDを買いあさる日本人観光客の姿も多く見かけるようになりました(1セット千円ほど)。
 大陸はと言うと、未だにかなり大手の出版社すら海賊版を出していますが、対象は中小出版社などクレームをつけそうも無い所の出版物が多く、版権を取得したものとそうでないものの二毛作状態が多いようです。

e0048888_2364781.jpg「一応」厳しい取締り(大陸)

 政府側も色々努力はしているようですが、正規版と海賊版の判別も難しく、ともすれば海賊版の方が安くて装丁も良かったりするので中々効果は上がらず。北京オリンピックも控え、イメージアップが急務であるため4月ごろから取締りを強化していましたが、先日より「従我做起、拒絶盜版、遠離精神毒品」というポスター1万枚を街角や書店、CDショップなどに張り大キャンペーンを展開中。先月も50社ほどの印刷工場が営業停止・廃業処分を受けるなど、今回はかなり本気のようです。

 さて夜も更けてまいりました。見本は「ピカチュー」と言ったのに買ったら普通のベルの音だったピカチュー目覚ましをセットして・・

(「文化通信」にも掲載)

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# by HANNIEW | 2004-08-01 02:30 | 出版やら本屋やら

図書館新時代?(2004.7)

 台湾の高速道路で戦闘機が発着したり、大陸南部に軍隊が集結したりと、きな臭い夏がやってきましたが、「商売」と「文化」は軽々と海峡を越えて行くようです。

e0048888_234186.jpg
ミュージアムグッズならぬ、「図書館グッズ」


 この所、上海に居を構え商売に励む台湾人が激増。台湾人向けのレストランや学校なども多く設立されており、東京―大阪を行き来するような感覚で皆さん飛び回っています。

 商売と来たら次は「文化」なのか、ここ数年台北市立図書館(以下、市図、蔵書400万冊)と上海図書館(蔵書1000万冊)は盛んな交流活動を続け、今秋より蔵書の相互閲覧&貸出し制度を実施する予定。ネット上での閲覧に加え、利用者が台湾―上海間の往復郵送料を負担するという形で、蔵書の実物も相互に貸出し可能。台湾で借りて、上海に行くついでに返すといった光景が見られるのももうすぐ?

 「大陸の図書を借りたいという利用者のニーズが増え、すべてを蔵書として購入する訳にはいかないので、「無形的館蔵」方式にトライすることにした」とは市図の弁。利用者が郵送料負担を受け入れるのか、きちんと返すのかなど問題は多いでしょうか、大胆な試みではあります。

 元々、市図の運営方針は非常に柔軟で、自身の出版物発行や、グッズ販売(写真はトートバック)、様々なイベントに加え、将来的には宅急便による貸出し/返却サービス、駅を利用した返却システム、一部分館の24時間開放などの計画も考慮中。公営機関ながら民間企業ばりのフットワークの軽さを誇っています。

 外国人観光客もパスポートを提示すれば利用可能なので、激暑の台北に疲れたらちょっと立ち寄るのも話の種。で、気に入った本が会ったら是非本屋さんで購入を!

(「文化通信」にも掲載)

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# by HANNIEW | 2004-07-01 02:29 | 出版やら本屋やら

六月新娘は本屋で(2004.6)

 台湾名物数々あれど、豪華な結婚写真もその一つでしょう。

 日本ではせいぜい2~3枚の所ですが、こちら台湾はボリュームも豪華さも桁違い。衣装も5種類以上、最低でも30枚以上の写真をB4大の革張り豪華写真集に仕立ててくれます。又、額入り特大パネルもドドーンとプレゼント。新居の壁面を占領します。

e0048888_2274056.jpg野外撮影の風景
恥ずかしがる男性に比べ女性はノリノリ


 もちろん撮影はプロの手で。スタジオだけではなく屋外撮影も人気があり、観光スポットや雰囲気のある建物の前では、撮影中の新婚さんを見かけることもしばしば。

 「これは客寄せにいける!」と踏んだのか、ある書店が「六月新娘」(ジューンブライド)イベントとして店内での撮影を許可。書香漂う雰囲気が「知的に見える」「人とちょっと違う」と、かなりの人気。本格的な旅行シーズンも絡めて展開されている「旅行書コーナー」には、いつか自分たちもと若いカップルが旅行ガイドを覗き込み、隣の棚にある「幸せな結婚」的な本も売れてゆくという仕組み。

 もちろん有る程度環境の整った書店でないとできない試みではありますが、できることはとりあえずやってみよう精神は見習いたいもの。多少のトラブルはあるかも知れませんが、今ある資源を活用したらまだまだ面白いことはできますよね?

 余談ですが今年の旅行先(新婚旅行も含めて)人気ナンバーワンはギリシャ。映画「トロイ」の影響もありますが、実はSARSが隠れた要因。青い海白い家という「青と白」のコントラストが清潔感があり、癒されるとの事。関連書籍も好調な売り上げです。

 今夜は十年以上前に撮った(もちろん台湾で)初々しい自分の結婚写真をもう一度眺めながら、初心を思い出すことにしましょうか。

(「文化通信」にも掲載)

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# by HANNIEW | 2004-06-01 02:13 | 出版やら本屋やら

ネット書店&コンビニ(2004.5)

 すっかり初夏の台湾。暑いときはクーラーの効いた部屋でネットで本を注文するのがお気楽。

 対面販売が好きな台湾でもネット書店はなかなかの成功を収めています。大手書店チェーンもこぞってネット書店を開き、中にはネット書店のみで実店舗を持たないところもあります。割引率も実店舗よりよく、ネットのみの特別企画も多い。地方の読者を中心に年々売り上げを伸ばしています。(海外発送OKの所も多数)。ただ実店舗とネット書店が別会社形式になっているため、在庫や物流センターの共有がされていない、ネットの割引率が店舗よりいいため顧客からクレームがつく、など今後の課題も多いようです。
e0048888_2231089.jpg今やネット商店で必ずといっていいほど見られる7-11のマーク。
「受け取り安心、支払い安全」と書いてあります。


 さて、注文を受けたら次は発送。自宅までの発送希望なら郵便局。それ以外は書店の実店舗(支店)か、コンビニを指定というのが一般的。ここ数年で随分浸透してきた宅急便は配達エリアの制限などから今一つ出遅れ。ドアトゥドアの時代までしばらくかかりそうです。ちなみに送料は無料、もしくは2000円以上(平均)購入で無料が殆ど。

 九州ほどの広さにの台湾に実に6000店以上あるコンビニですが、ちょっと変わったところでは、誠品書店チェーンが今年5月、7-11系の宅急便の営業拠点として新たに契約を結んだこと。本屋で宅急便を出すだけでなく、電気代を払ったり、ヤフーで落札したお気に入りのTシャツを受け取るついでにファッション雑誌の最新号も買って帰る、なんて光景がもうすぐ見られるかも。

 うちですか?猫やら鳥やら(宅急便)にもお世話になっていますが、小物流も活躍。あ、これは単に配達って呼ばれてますけど。

(「文化通信」にも掲載)

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# by HANNIEW | 2004-05-01 02:12 | 出版やら本屋やら

「草苺族」(2004.4)

 先輩に連れられ緊張の面持ちの新人さんも、そろそろ笑顔の一つも出てくる時期でしょうか?

 台湾は九月新学期で、その上男性には徴兵制度(約二年間)もあり、転職率も高いため一時期に集中して就職活動という事がないため、街中フレッシュマンだらけという光景も懐かしく思われます。
e0048888_218111.jpg
草苺族をターゲットにした雑誌
(「失恋雑誌」ってネーミングが、もうそのまんまって感じです。。)


 さて、最近の人事担当者が頭を悩ます事と言えば18~25歳ぐらいの「草苺族」と呼ばれる若者たち。見てくれはいいけれどちょいと押すとすぐ潰れる苺君たちは、職業意識がない、自分のことばかり、ちょっとした挫折にも耐えられない、団体行動が苦手、傲慢で頑固、等等さんざんな評価。 e0048888_2205449.jpg

               草苺族世代のシングルマザーが執筆。話題に

 流行に敏感で自分の欲しいものは無理をしてでも買う傾向があるので、企業側としても一緒に働くのは嫌だけど顧客としては無視できない年代のようです。当然出版物も彼らを狙った物が多くなり、ファッション、アニメ、旅行、愛情を扱ったものは不景気の中でも堅調。

 けれど豊かになった台湾を謳歌し、思うがままにふるまう彼らも実は漠然とした不安感を抱えており、鬱病の発症率も高い。そのせいか心理書と呼ばれる「読むと落ち着く」本も買ったりします。

 三多(「離職・休暇願い・私用」が多い)の世代は、「格好いい」という美しき誤解で出版社や書店に入っても、実は薄給で雑事が多く、肉体労働もきついこの業界の実態を知るやさっさと見切りをつけるため、どの会社も人材が育たず頭を痛めています。

 日本も台湾もこの辺りの事情はあまり変わらないようで。そんなに捨てたものじゃない彼らのモチベーションを高めるには上の世代が熱くないと駄目という事でしょうか。

 私ですか?呼称さえもらえない燃える「中年」です。

(「文化通信」にも掲載)

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# by HANNIEW | 2004-04-01 02:10 | 出版やら本屋やら

「政治人物」(2004.3)

e0048888_29149.jpg 銃撃事件やらその後のゴタゴタもあり、日本でも大きく取り上げられた台湾総統選挙。
 
 言論統制のあった時代の反動で、昨今の台湾では政治ものの出版物がテンコモリ。ネット書店などの図書分類でも「政治人物」(政治家)という項目があり、いつもベストセラーの上位に食い込んでいます(組織買いの要素も強いけれど)。

 政策分析ならいざしらず、激しい個人攻撃やその逆に恥ずかしくなるような提灯本も相当数。総統を含む現職の政治家を真っ向から口汚く罵る書籍がごく普通に書店に並べられているというのも、いわゆる「自由」の表れなのでしょうか?

 当の本人たちは言われっぱなし?いえいえ、皆さん精力的に執筆活動をしております。政敵の直接批判は流石に少なく(雑誌では時々見かけますが)、殆どが自身の政治理念を中心としたもの。人によっては十点以上の著作があり(現職)、中には写真集まで。もちろん自分の苦労話を綴ったお涙頂戴本もしっかりあります。日本では紹介される事が少ないこれら書籍ですが、李登輝氏の「台湾的主張」は日本語版も出版されたので読まれた方も多いかと?e0048888_292657.jpg

 変わった所では副総統の呂秀蓮氏。むろん政治理念を著した著作もありますが、三人の女性の生き様を描いた小説「這三個女人」は、現代女性の一つの道しるべとしても高い評価を得ています。

 誰の本を出すかでその出版社が藍色(国民党派)か緑色(民進党派)かがはっきり色分けされる台湾の出版界(政治色を出さない出版社も多いですが)。本来の意味での「言論の自由」が守られていくかどうかは、これからの政治的動向とも深く関わっているのです。

(「文化通信」にも掲載)
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# by HANNIEW | 2004-03-01 20:40 | 出版やら本屋やら

多言語国家台湾(2004.2)

  九州ほどの小さな台湾は、意外にも多言語国家。例えばカラオケ店の歌本には大概、北京語、台湾語、広東語、客家語、日本語、英語、そして最近は韓国語の歌も載っています。

 普段使う言葉も台湾語と北京語チャンポンだったり、一言二言日本語(台湾語化した日本語)が混じったりと、ごく自然に言葉のスイッチを切り替えています。「山地人」と呼ばれる原住民系の人々も合わせると民族的にもかなりの数に分類され、それぞれ文化や背景が異なる人たちが融合したり反発したりしながら暮らしています。

 もちろん民族や世代を超えたベストセラーも出るけれど「台湾文学の旗手」「客家人を代表する作家」という色分けが比較的はっきりしているのもここ台湾の特徴。そういえばベストセラーの多くが外国人著者のものだというのも、民族的な縛りがない分、気持ちをさらにして読めるという気楽さもあるのかも知れないですね。e0048888_27147.jpg

 最近の流行は「客家」。去年の夏初めての「客家チャンネル」が創設され(客家語での放送)、台湾客家の苦難の歴史を描いた連続ドラマ「寒夜」はかなりの人気でDVD売り上げも好調。客家文化関連の書籍も多く見かけられるようになり、政府も客家文化の保護育成に一定の予算を割くようになりました。もちろん政治的要素はたっぷりで、客家票が欲しいからというのも本音の一部。客家人の方の「これはこれでいいんだけど、政治的に利用されてるって感じがちょっとねぇ。。」と漏らす声もあったりして、、複雑なところです。

 皆と同じ事がいい事で当たり前のように思いがちな日本と、人と違うのは当たり前で何とか共通認識を持とうともがいている台湾。まるで正反対だけれど、だからこそ日本発の文化を発信する面白さもあるのでは?

さて、今日あたり久々にカラオケで台湾語の歌でも熱唱してきますか。(ど演歌調のものが得意だったりします)

(「文化通信」にも掲載)
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# by HANNIEW | 2004-02-01 20:38 | 出版やら本屋やら

新年快楽、万事如意(2004.1)

  新年快楽!旧正月明けの台湾から、今年も格調高く(高いのはテンションだけ?)栄養豊富な情報をお届けしたいと思います。

 「2003年度、台湾で最も影響力のあった書籍十冊」(金石堂アンケートから)を見ると、台湾著者の手によるものはたった三冊。若手の作家も大分育ってきてはいても、書籍に関してはまだまだ輸入国。その中で張大春氏の「聆聴父親」は家族の問題を掘り下げた作品として注目を集めています。
 また、ここ数年のオカルトブームで、夢枕獏氏の「陰陽師」も日本作家では唯一の入選(ちなみに映画「陰陽師2」も台湾の映画賞を獲得)。

e0048888_261496.jpg SARSを始めとして、去年は気持ちを暗くするようなニュースが多く、うつ病を発症する人が激増。「死」や「心の平安」をテーマにした本が何冊か入選。「この本を読むと気持ちが落ち着く」と友人にプレゼントするのが流行。ネットのBBSでも「心」をテーマとした議論が盛んにとりかわされていました。台湾も「いけいけドンドン」の時代は去ったという事でしょうか?とはいえ、商売人気質の強い台湾人。経済ものもしっかり入選。ただし関心は「いかに儲けるか」ではなく、「人材育成、経営管理」に移行。不況のせいもあり若者も安定志向になりつつあるようです。

 では政治ものは?実際の政治を見ているほうが面白いのか、それとも飽き飽きしてしまったのか、思ったよりは売れ行きが伸びず。

 ブックフェアーから始まる2004年の台湾図書市場。さてさて、今年はどうなりますことやら。

 え?うちですか?去年は「美術書戦国時代に突入の年」だそうで、きりりと兜の緒を締めなおしているところです。

(「文化通信」にも掲載)
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# by HANNIEW | 2004-01-01 20:36 | 出版やら本屋やら


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台湾の美術書店です。 台北の片隅で日々本に囲まれ10年以上。 ぽつぽつですが思いついたことなどを書いてゆきたいと。
本家汗牛HPも御贔屓に!
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